きょうもよい1日を!

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きょうのひとこと

いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。

ふだん、格言ばかり紹介していると
ポジティブな言葉ばかりが並びます。
いささかうんざりしませんか?

実はネクラ(通じる?)なぼくは
それこそ「きょうのひとこと」は、
1日ひとつでおなかいっぱいになります。

紹介しておいてそれはないだろう?
といわれそうですね。

ぼくが好きな小説家のひとりに
チェコの作家、カフカがいます。
20世紀最大の作家と称されてますね。
『変身』『審判』などの小説は
あまりにも有名ですね。

そんなカフカが当時の恋人に送った
ラブレターがこれです。

「将来にむかって歩くことは、
ぼくにはできません。
将来にむかってつまずくこと、
これはできます。
いちばんうまくできるのは、
倒れたままでいることです。」

倒れたままなんかい!

カフカは常に誰よりも落ち込み
誰よりも弱音を吐き
誰よりも前に進もうとしませんでした。

前出の婚約者への手紙にはさらに

「・・・体力はないし、
夜寝る前にいつもの軽い体操をすると
たいてい軽く心臓が痛み
腹の筋肉がぴくぴくします」

また、別の人妻への手紙には

「ちょっと散歩をしただけで、
ほとんど3日間というもの
疲れのために何もできませんでした」

などと書き送っています。
誰よりも弱かったカフカ。
でもその弱さゆえに気づいたもの
も少なからずありました。

足腰がしっかりしている人は
道の歩きにくさを感じることはありません。
腕の力の強い人は
荷物の重みを知ることがありません。

そういえば、前人未到の洞窟に入るとき
用心のためにカナリアを連れていきます。
もし毒ガスが発生していたらかならず
カナリアに異変が起こるからです。

カフカの悲観的な性格は、
そんなカナリアのように多くの人を
救っているのかもしれません。

あなたにもきっとカフカ的な性格が
あるのではないでしょうか。

でなければ
今日まで生きてこれなかったかも?

こんにちは!
あなたの中に住むカフカ。

きょうもよい1日を!

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いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。(フランツ・カフカ)

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