2Dec
目くじらを立てる
という不思議な日本語があります。
なぜ目にクジラが? と思い、調べるてみると
もともと目尻を意味する「目くじり」が語源とのこと。
目がつり上がり、怒っているようすが俯瞰されて
しだいに相手をとがめたり、または
相手を責めたりする行為へと変化したようです。
この「目くじらを立てる」人が
ここさいきん、増えたように思いませんか?
とくにメールやネットの書き込み、SNSなど
会ったこともない人に対し、相手の非を責めるなど
非対面で、その言動をとがめるケースが急増。
ほんとうは、増えたというより
目にする機会が増えたのかもしれません。
これまで知らなくて済んでいたものが
SNSなどで目に入り、これは許せない!と
四方八方へと拡散していく・・
目くじらが立ち、波風が立つ、そんな状態。
怒りというのはやっかいで、これが
相手だけでなく同時に自分にも向けられます。
すると自分を責めることの回避行為が行われ
さらに相手を責めるという負の連鎖が起きます。
他人を責めることと自分を責めることは
同じ水準で行われるからです。
外国人に比べ日本人は大人しい人が多く
自省の念が強いから、同じエネルギーで
他人を責める力も強いと思います。
哲学者セネカは、怒りや悩みは
向こうからやってくるんじゃなく、
些細な不安の種を見つけ出しては
自らそこへ歩み寄っていくのだと
著書『怒りについて』で説いています。
ぼくたちが他人に「怒り」を覚えるのは
たいてい「不当な扱い」を受けていると
感じたときです。
ほとんどは誤解だったり、単なる思い込み
そもそも自分にはなんの関係もないことも。
それで相手を責め、同時に自分も傷ついてる。
社会全体がなんとなく不機嫌になる
なんともいたたまれない気がします。
人はカッとすると、脳から化学物質
コルチゾールやノルアドレナリンが
血中に放出され、体内に満ちてきます。
これが平均90秒間続き、
怒りという感情が物質的に反応します。
この間になんらかのアクション、例えば
メールの返信、リツイート、コメント等
などすれば、大炎上しそうです。
うっかり怒り、結果、事態がより悪化したのは
この「魔の90秒間」に行われたのかもしれませんね。
あ、いまムカついた、腹が立ったと思ったら
すぐに時計を見て、90秒ほど待ちましょう。
画面を見ていたら顔を上げ、相手を見ていたら
その場を離れ、やり過ごしましょう。
90秒後の自分は驚くほど冷静に戻っているはず。
90描画経過してもまだ腹が立っているなら
それは「怒ることを選択している」というときです。
怒りは依存症と同じ。
いけないとは思いつつも、
つい、進んでやってしまいます。
でも自ら傷つく怒りは必要ありませんね。
きょうもよい1日を!
カッとなったら90秒待つのだぞ。
多くの人は根も葉もないことを疑ったり、些細なことを深刻にとったりして、苦悶のタネをわざわざ自分であつらえている。(セネカ)
貧乏波動というのは、心の貧しさのことなんです。人に何かよいことがあったら「よかったね」と言えば心は豊か。
人に「ありがとう」と声を出して言ってみる。すると、脳はその人に対して感謝する合理的な理由を探し出す。そうすると、周りの人のいいところが見えやすくなる。