きょうもよい1日を!

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きょうのひとこと

才能は一つの化粧である。化粧はまた一つの隠れ家なのだ。

電車の中で化粧をする女性を見かけました。
そのことを咎める人は多いし、咎められるのも仕方ありません。けれども、とあえて思います。その器用さと目的を達成するための遂行力は、評価されてもいいんじゃないかと。

目の前で、1人の女性がみるみるうちにキレイになっていく。それはまるで一枚のキャンパスに描かれる絵のようです。ぼくもこうして遊びでイラストは描くけれど、揺れる電車の中ではおそらく描けないでしょう。眉を左右対称にそろえたり、頬に陰を入れるのはイラストの人物画も同じ。ぼくにはとても乗りものの中で描く自信がありません。

ニーチェは「才能は一つの化粧である」と説きます。
才能は一種の化粧であり、化粧はその人の素顔を隠していると。才能と人格は違うし、才能を過信して失敗するケースもあります。策士、策に溺れるともいいますね。

ニーチェは才能をひけらかす人に、過信すればやがてメッキが剥げ落ちたときに恥をかくぞという警鐘を鳴らしたのかもしれません。だとすれば、メッキなんてさいしょから剥げたすっぴん状態で電車に乗り込み、衆目が見守るなか、メッキという化粧を完成させていく現代日本女子の姿が、彼の目にはどう映るんだろうか?と。

デパートの化粧品売り場では、店員に化粧をしてもらっている中国人観光客の姿がみられました。なるほど日本人女性の化粧のうまさは定評があります。

そのうち電車の中でも同様の光景が見られるのかもしれません。「インスタ映えする電車内化粧のやり方」とかなんとか・・

きょうもよい1日を!
今回はいつもより、ちょっとテイストが変わってしまいました。


才能は一つの化粧である。化粧はまた一つの隠れ家なのだ。(フリードリッヒ・ニーチェ)

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