きょうもよい1日を!

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きょうのひとこと

色を見るものは形を見ず、形を見るものは質を見ず

色ばかりをみて形をみない
形ばかりをみて本質をみない

夏目漱石の小説『虞美人草(ぐびじんぞう)』にある一説です。
かなり昔に読んだ漱石初期のころの作品ですが、
のどの夏目作品より印象に残る小説です。
世に出たのは激動の1907年、ちょうど日露戦争の「戦後」。
今と違って「戦勝した戦後」です。
小説は、漱石も訪れたという1900年パリ万博の影響も見られます。
展覧会という表層的なものへの批判・・

見てくればかりを気にして、
本質を見ようとしないことを批判するセリフですが、
「色」という表現に、ぼくはなにかしら
ひっかかるものを感じました。

さいきんになって
それは「顔色」のことを意味して
いたんだと思うようになりました。

他人からどう思われるかばかりを気にし、
よく思われたいがために、
体裁のよい言葉を並べたて、顔色を伺う・・
そういうことだったんだなと。

何を見て、何を見ないか
気づき、気づかないか

ふとした日常の、そんな認識のあり方が
ぼくたちの行動に影響をあたえます。

いつもより少しだけ、深く考えてみる
とかく秋の夜長は都合がいいですね。

きょうもよい一日を!

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色を見るものは形を見ず、形を見るものは質を見ず(夏目漱石)

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