24Jan
かつて「モーレツ社員」なんて呼称があった。
いまも通じるんだろうか?
とうに死に絶えたような死語ですが、まだその精神はひしひしと日本人にあるように思えます。睡眠時間が少ないことを自慢し、超多忙であることが生産的である。そういう人材を会社や上司は求めているのだ!
的な考えですね。
だから残業しないではいられない。有給休暇を取りたくても取らない。別に「休みをとるな!」「残業しろ!」といわれないまでも、周りが定時で上がらないし、休みもとらずがんばっているのに・・とつい、忖度してしまいます。
ドイツで働いていたころです。ある日系企業(銀行)のお客さんから「パソコンの調子が悪いから見てくれ」という要請をもらい、5時前にかけつけます。ちょうど就業時間。仕事を終え、めいめいオフィスをでていくドイツ人従業員とすれ違います。さて作業を始めようと辺りを見渡すと、席についているのは黒い頭だけ。つまり日本人のみ残業していたというわけですね。
それを「ドイツ人は仕事をしない。定時に上がるは、長い休暇だって平気でとる」と嘆く日本人駐在員。おもえば不思議な光景でした。
日本は世界のどの国よりも祝日が多いです。
自主的に休めないから、国が強制的に休みを作っている。いまの「働き方改革」もそうですね。ある意味、会社単位ではできないから超法規的に国が勤務時間を強制して短くさせる。足りない時間は、生産性を高めて埋め合わせしろというわけです。
本来なら「大きなお世話」ですね。
でもそんな補助輪を必要とするのが、死語である「モーレツ社員」という亡霊が、いまださまよっているということなのでしょう。
働いていることそのものが楽しいのであれば、好きなだけ時間を使って働けばいいと思います。使命感にかられ、使命を果たしているとき、ほんとうに充実した時間がすごせます。このために生まれてきたのだと思える瞬間こそは、代え難い幸福感があります。とはいえ、ふだんの仕事がいつもそういうわけではありません。
人生で使える時間は有限です。
可能な限り有益に使いたいものです。
賃金を得るための時間はここまで!とゴールを決め、その時間をめいいっぱい働く。万難排し、全力で働く。入学試験だってサッカーだって制限時間あるなかで勝負をします。
めいいっぱい働いて、めいいっぱい休む。
だらだら働くと、休みもだらだらしてしまいがち。
そのことを心がけて
きょうも、よい1日を!
集中力こそは
人生を充実させるための源泉です。
(このイラスト、バブル時代に一世風靡した「リゲイン」をモチーフにしてみました。わかんないだろうなあ)
仕事が早いから残業しなくて済むのではなく、残業をしないと決めるから仕事が早くなる。(上野和典:バンダイ社長)