25Mar
「はじめての一人旅」を
あなたは覚えているでしょうか?
ぼくにとってそれは二十歳の7月。
イタリア、スペイン、フランス、モロッコの旅でした。ほんとうはひとりのつもりではなく、イタリアでそのとき恋していた女性と、いっしょに旅をするはずでした。
結果、フラれて一人旅。
イタリアから地中海沿いにフランスに入り、スペインへ。途中、バレンシアで知り合ったモロッコ人の親子とともに、モロッコのラバトへ。ひとと別れ、ひとに出会い、また別れる、流れる景色とともに、たくさんたくさん、いろんなことを考え、試し、失敗し、感じる・・実に意外性に満ちた旅でした。
旅のあいだ、カセットテープでくり返しくり返し聞いた音楽は、いまもiPhoneに入れて持ち歩いています。『Recuerdos de la Alhambra(アルハンブラ宮殿の思い出)』
デュッセルドルフの自宅に帰る途中、パリのポンピドーセンターそばでホームレスに襲われそうになったことも、なつかしく、忘れることができません。
ひとは誰しも、考え方のクセをもっています。捉え方にバイアスがあります。感性も、好みもそれぞれですが、ぼくにとってはあのわずか2週間の、ひとり旅によって組み立てられたような気がしてならないのです。
先日、とある面談で知り合った69歳のおじさんが、「妻にも先立たれたことだし、70にしてはじめての一人旅を計画しています」とおっしゃっていました。
一生忘れられない体験は、
いつはじめてもいいんだと思わされました。
そう、自分のままで、自分は変われます。
きょうもよい1日を!
年を追うごとに、
桜が美しく見えたりしませんか。
はじめての一人旅を、ひとは一生、忘れない。(青春18きっぷ)