17Aug
スティーブ・ジョブズは、創業者なのにアップル社を追い出され、その後、暫定CEOに迎えられました。
このときスティーブのしたことは、煩雑になっていた商品ラインアップを、家庭用と企業用、それぞれデスクトップ型とノートブック型の4種類のみとし、残りをやめてしまいました。
その後アップル社は危機を脱し、業績が改善していきました。あれもこれもと手をつけ、結果どの商品も中途半端で利用者の訴求力を失っていた同社のたてなおしは、選択と集中というシンプルな方法で成し遂げられたのでした。
このことは、時代を700年さかのぼったここ日本で、ある人物によって訓示されておりました。
ぼくがひそかに「鎌倉時代のブロガー」と呼んでいる吉田兼好そのひとであります。氏はブログ『徒然草』の中で、
あれもこれも手をつけていては、どれも中途半端なままで完成しない。重要なものに焦点を絞り、他のものは思い切って捨て去る決断力が必要。
と書き残しています。
それがきょうのひとことです。
また、兼好は同著でこうも説いています。
おのが分を知りて、及ばざる時は、速やかに止むを智といふべし。(自分の力量を把握し、無理と思ったら早めに手を引くのが知恵。できないことに労力をかけるより、できないことに手をつけ集中すべし。)
きょうもよい1日を!
きょうもひと事、成しましょうぞ。
いずかたをも捨てじと 心にとりもちては 一事も成るべからず (吉田兼好)